不動産賃貸の決済代行を導入する際の審査とは?流れや注意点を解説
世の中全体にキャッシュレス化の波が広がりつつあることで、不動産賃貸でも決済代行サービスを利用するケースが増えてきています。集客率アップや家賃の回収が効率化するといった様々なメリットがある決済代行ですが、導入する際には審査があるということに気を付けなければいけません。
スムーズに決済代行を導入するためには、どんな流れで審査が行われ、どういった点に注意すべきなのかを知っておく必要があります。
決済代行を導入する際の大まかな流れ
クレジットカードを持つための申し込みをする際には、支払い能力があるか、過去に金融事故などを起こしていないかなどの点を厳しく審査されることは多くの人がよく知っていると思いますが、不動産賃貸の決済代行を導入するのにも事前に審査を受ける必要があることは、ご存知でしょうか。
不動産賃貸決済代行を導入するには「加盟店審査」という審査を受け、問題のない事業者であることをクレジットカード会社に証明しなければなりません。この加盟店審査を無事に通過すればクレジットカード会社から優良事業者であると認められ、クレジットカード決済の「提供者」になることができ、家賃をクレジットカードで支払えるサービスを提供することが、はじめてできるようになります。
加盟店審査を受けるためにまず用意しなければいけないのは、印鑑証明書や登記簿謄本、各種の許可証・免許証といった書類です。具体的にどの書類が必要なのかは業種やカード会社によって異なりますが、不動産賃貸の場合は、宅地建物取引業免許のコピーの提出を求められるのが一般的で、ホームページ上に「特定商取引法に基づく表記」があるかどうかも確認されます。
無事に審査に通った後は、手数料などといった契約条件の確認に移ります。そして特に条件に問題がない場合、契約書に記入して提出すれば、いよいよサービスを開始できる、というのが決済代行導入までのざっくりとした流れです。
宅地建物取引業免許について再確認しよう
不動産賃貸の決済代行を導入するための審査では宅地建物取引業免許の証明書が必要になります。不動産業を営むためには必須の免許なので、これから不動産業を開業しようと思っている人は決済代行を導入する方法以前に宅地建物取引業免許とはなんなのかをよく把握しておくことがとても大切です。既に不動産業を営んでいる人はもう十分内容を理解しているとは思いますが、この機会に改めて確認してみてください。
宅地建物取引業免許というのは、一言でいえば「自分が所有している不動産の賃貸を行う場合以外の不動産取引を反復して行うために必要な免許」です。代理で他人の物件を売買・賃貸する場合や、他人の物件の売買・賃貸を媒介する場合、そして自分の物件でも賃貸ではなく売買するときには基本的に宅地建物取引業免許を持っていなければいけません。
宅地建物取引業免許は個人・法人のどちらでも取得することが可能です。しかし、個人で免許を持っている人が法人を設立した際に個人の免許を引き継いで法人として取引をしたり、逆に法人で免許を持っている場合に個人で取引をしたりすることはできないというところは、忘れてはいけない注意点といえます。
「特定商取引法に基づく表記」とは?
宅地建物取引業免許の他にもうひとつ、不動産賃貸の決済代行を導入するためには「特定商取引法に基づく表記」が、重要です。特定商取引法というのはトラブルが比較的発生しやすい取引で消費者が不利益をこうむるのを防ぐための法律であり、その法律によって各種事業者にホームページ上での表記が義務付けられているのが「特定商取引法に基づく表記」になります。
不動産賃貸の場合は、法人または個人名や所在地といったほとんどの事業者が共通して表記しなければならない情報のほかに、月々の家賃が誇大広告なくきちんと特定商取引法に基づいているかなどを表記しておかなければいけません。この表記がしっかりあることによって消費者は安心して取引をすることができるようになり、もし万が一、違反していることが分かった場合には行政処分などの罰則が事業者に下ることになります。
特定商取引法に基づく表記が抜けていると、不動産賃貸決済代行の審査に通らないだけでなく法律の違反にもなりかねないので、決済代行の導入を検討する際には、必ずもう一度自社のホームページを確認するようにしましょう。
まとめ
不動産賃貸の決済代行を導入するには、加盟店審査というカード会社の審査に通る必要があります。不動産賃貸の決済代行の場合は、必要書類として印鑑証明書や登記簿謄本、授業主の個人情報のほかに、宅地建物取引業免許のコピーを提出することと、ホームページに特定商取引法に基づく表記をしておくことが加盟店審査を受ける際の必須条件です。
このふたつの注意点をちゃんと理解していれば、スムーズに審査を受けて決済代行を導入することができるでしょう。